テニス×海外生活

ドイツでテニスを再開した話|30代社会人の復帰あるあると3つの壁

takuma
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シュトゥットガルト在住のテニスプレイヤーtakumaです。

今回は、私がドイツでテニスを再開した時の話をお届けします。

30代、社会人、ブランクあり——そんな状態からの復帰は、楽しい反面なかなかハードでしたが、今では「再開して本当によかった」と思っています。

この記事では、そんな復帰までのリアルな体験と、再開を目指す人にとってヒントになるような「壁と乗り越え方」をまとめました。

 

復帰あるある:10年ぶりのシングルスは地獄だった

人生の新しいチャレンジとして、私がドイツに移住を始めた2023年。

その年の夏に現地のクラブチームに所属することになり、リーグ戦にも出場することが決まりました。

ただ、実はその時、には選手としては5年以上、シングルスで言えば10年近くのブランクがあったのです。

20代はテニスコーチとして働いていたり、コーチを辞めた後でも週3〜4でテニス三昧の日々。

大会にも頻繁に出ていたし、勝つことにも貪欲でした。

でも30歳を迎えた頃、病気と怪我で一度ラケットを置くことになり、その後はフィリピン移住、コロナ禍もあって、月1回テニスができればいい方という生活が続いていました。

久々に本気で「試合に出る」と決めたとき、最初に直面したのは体力の衰えでした。

日本の社会人はダブルス中心。でもドイツはシングルスが中心。しかもなんと3セットマッチが基本。

フィジカルが強いドイツ人相手に、10年ぶりの試合勘と体力で挑むのは、本当に地獄のようでした(笑)。

 

ドイツならではの「3つの壁」

テニスを再開する中でぶつかった壁は、単なるブランクだけじゃありませんでした。

① 練習相手がいない

日本には「テニスベア」や「テニスオフ」などのマッチングサービスがありますが、ドイツにはそういった文化がありません。

練習相手を探すのも、基本はクラブ内の仲間に声をかけるスタイルになります。

私が入ったテニスクラブには、同じくらいのレベルで練習できる相手がいなかったので、正直かなり焦りました。

幸いにも参加していた日本人のテニスサークルに上手な方がいたので、日曜日のサークルや休日予定が合う日に練習できる環境ができました。

 

② 言葉の壁と不安感

クラブ内では当然ドイツ語が飛び交います。

言葉が通じないことで、自分の意思が伝わらない/空気が読めない——そんなことが続くと、知らず知らずのうちに自信を失っていきます。

「こんな自分がチームにいていいのか」と思う日もありました。

自分が大好きなテニスのはずなのに、自然とストレスが溜まっていってしまう。これは早急に解決すべき課題でした。

 

③ 文化とシステムの違い

コートの使い方、クラブの仕組み、練習の誘い方まで、日本とは違う「文化の壁」も感じました。

自主練をしたいと思っても「今日はクレーコートが使えない」「予約が一杯」など、スムーズにいかないこともしばしば。

「日本だったらこうなのに…」と思う場面は、正直かなり多かったです。

 

壁をどうやって乗り越えたか?

まず練習不足の解消は、休日の練習相手には日本人サークルのメンバーさんと。

平日にも練習量を増やすべく、家の近くのテニススクールで英語が話せるコーチを見つけて朝の仕事前に1時間プライベートレッスンを受けるようになりました。

ここでの練習は本当に新鮮で、「ショットの向上」だけではなく、シングルスで勝つための思考や配球、組み立てまで教えてくれました。

そして体力づくりに関しては、毎日のランニングとジムでのトレーニングを。

30代以降になると何もしなければどんどん身体は衰えていきます。

でも、「また試合に出たい」「勝ちたい」という目標があったからこそ、地味な積み重ねも苦になりませんでした。

 

また、言葉の壁に関しては、正直に「ドイツ語が話せないので英語でお願いできますか?」と対戦相手や練習相手に伝えるようにしていました。

ありがたいことにドイツ人の多くは英語も堪能なので、ほとんどの方が快く応じてくれました。

もちろん、自分でも努力を怠らず、、

まず覚えたのはテニスで使うドイツ語。

スコアの言い方や「デュース」「アドバンテージ」などの試合中によく使う表現は、実際のプレーの中ですぐに使えるようにしていました。

そうすることで、言葉の壁への不安もだんだん小さくなっていきました。

 

そして文化の違いに対しては、「郷に従う」姿勢で対応しました。

ドイツ語で情報を検索し、それらしいサイトを翻訳しながら、クラブのシステムやテニス事情を一つずつ理解していく。

そうしていくうちに、「あれ?これ日本より便利かも」と思えることも出てきました。

例えば、コート予約の仕組みやリーグの運営方法は合理的で、慣れてしまえばむしろ快適。

最初は戸惑っていた文化の違いも、理解を深めることでストレスから楽しさに変わっていきました。

 

再開してよかったと感じたこと

少しずつ試合で勝てるようになってきたとき、自分の中にあった「選手としての自信」が戻ってきました。

それまでは「練習は上手い人」でしたが、今では少しずつ「試合でも結果が出せるプレイヤー」に進化できている感覚があります。

あと何より、テニスがあることで日常の充実度が一気に上がりました。

体力も戻ったことによって疲れにくくなり、食事や生活習慣にも気を配るようになって、結果的に健康面でも良いことづくめ。

テニスって、技術じゃなくて「環境」と「継続」で強くなれるスポーツだなと、改めて感じました。

 

これから「また始めよう」と思っている方へ

テニスを再開するにあたって、私から伝えたいことは

最初はブランクがあっても、体力がなくても、全然大丈夫です。

 

大切なのは、「自分なりの目標を持つこと」です。

「試合に挑戦してみる」とか「ラリーが10本続けばOK」とか、小さくてもいいので目印をつくることが、再開する上でモチベーションになっていきます。

あとは、「自分が続けられる環境を探すこと。」

仲間がいないと続かない。予約が難しいと億劫になる。だからこそ、環境探しこそが再開の第一歩です。

私の場合は再開時の目標設定が少しストイック寄りだったかもしれません。

ただ、テニスは本当に人生を明るくしてくれるスポーツです。

もしあなたが「またテニスを始めてみようかな」と思っているのであれば、充実した未来を想像して是非一歩踏み出してみてください。

 

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