海外でテニスを始めたいけれど、「言葉が通じなかったらどうしよう」と不安に感じたことはありませんか?
私もドイツ移住直後、ドイツ語がほとんど話せない状態でテニスクラブに入会しました。正直、今でもあまり話せません。
最初は緊張の連続でしたが、気づけば多くの仲間に囲まれ、練習や試合、クラブイベントを楽しむ日々を送っています。

目次
1. 出会いのきっかけは日本人サークルから
私が最初に入会したクラブは、シュトゥットガルト近郊にあるTSV Musberg。
きっかけは、日本人テニスサークルの活動場所がこのクラブのコートだったこと。
そして、サークルのメンバーがMusbergのクラブチームに所属していたことで、自然な流れで入会しました。
クラブの理事の方が、ドイツ語を話せない私を快く受け入れてくれたことは今でも印象に残っています。
さらに男子チーム(Herren)にも誘ってくれ、いきなり本格的なチーム活動への参加が決まりました。
2. 言葉よりも「プレー」で存在を知ってもらう
最初のうちは私を誘ってくれた日本人プレイヤーとの練習を通じて少しずつ顔を覚えてもらいましたが、真の仲間意識を感じたのはリーグ戦のときです。
試合中、チームメイトが「Gut gespielt!(いいプレー!)」と声をかけてくれたり、ベンチから拍手をしてくれる度に、「自分はこのチームの一員なんだ」と感じることができましたし、勝利を分かち合えた瞬間は、言葉以上のものを共有できたと思います。
特に印象的だったのは、夏のリーグ戦で組んだダブルスです。
初めてのペアリングだったため、最初は息が合わずセットを落としましたが、コートチェンジの際に英語で簡単な作戦を共有し、ポイントごとにアイコンタクトや親指を立てるグッドジェスチャーを続けるうちに、徐々にリズムが合ってきます。
結果、セカンドセットをタイブレークで奪い、続くマッチタイブレークも取りきり逆転勝利。
この試合をきっかけに、そのペアとの距離は一気に縮まりましたし、シングルスでは味わえない「二人で勝ち取った達成感」を感じた試合でもありました。
3. コート外の交流で距離を縮める
テニス仲間との関係は、練習や試合だけではなく、飲み会やクラブイベントでも一気に深まります。
クラブチャンピオンシップで優勝した後の懇親会では、決勝で戦った相手の少年が「もっと上手くなりたいから練習相手になってほしい」と声をかけてくれました。
言語が通じないため、お互い翻訳アプリを使いながらの会話でしたが、このやり取りがきっかけで強い信頼関係が生まれました。
今でもDeepLやChatGPTでの翻訳を愛用していますが、正確さとニュアンスの伝わり方が格段に違います。
4. 短いフレーズとボディランゲージを活用する
言葉が通じない中で私が意識してきたことは、とにかく「短くても褒める」ことです。
「Nice shot!」「Good!」「Gut gespielt!」といった一言が、場の雰囲気をぐっと和らげてくれます。
さらに、テニスコーチ時代から大事にしているのは、「相手にいい印象を与えること。」
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練習中ミスショットをしたらジェスチャーを交えて謝る
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ボールを拾ってもらったらお礼を言う
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練習中は笑顔を心がける
こうした小さな積み重ねが、相手に「この人とプレーすると気持ちいい」と思ってもらえるきっかけになります。
もちろん、たまにはマナーが悪かったり、こちらを見下してくる相手選手もいます。そんなときは感情的にならず、「プレーで見返して黙らせる」スタンスを心掛けています(笑)
5. もっと早く仲良くなるために必要だったこと
正直なところ、今でも感じる最大の課題はドイツ語力です。
試合や練習中のやり取りは英語やジェスチャーでカバーできますが、もっと深い話や細かいニュアンスを共有するには限界があります。
「もっとドイツ語が話せたら、さらに深い関係が築けるのに」と思う場面は多く、今も勉強を続けています。
まとめ:テニスは世界共通語
海外でテニス仲間を作るコツは、必ずしも流暢な言語力ではありません。
まとめ
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まずはプレーで存在を知ってもらう
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短い褒め言葉とポジティブなジェスチャーで距離を縮める
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コート外のイベントや交流を大切にする
テニスという共通のスポーツは、国籍や言語を超えて人と人をつなげてくれます。
言葉が通じなくても、一緒にボールを打てば、それだけで仲間になれるのです。
私もまだ道半ばですが、これからもテニスを通して、もっとたくさんの人とつながっていきたいと思っています。