
海外生活で困りやすいのが食事です。
特にスポーツをする人にとっては、試合や練習前後に「何を食べるか」がパフォーマンスに直結します。
日本であれば試合前におにぎりやうどんを食べ、試合後は魚や野菜を食べたりと、慣れ親しんだ食事の中からチョイスすることができますが、海外生活ではなかなかそうはいきません。
この記事では、ドイツの伝統料理を活かしながら試合や練習を支える食事例を、シーンごとに紹介します。
ドイツの食文化の基本
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パン:Brötchen(白パン)、Vollkornbrot(全粒粉パン)、ライ麦パンなど種類が豊富
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ジャガイモ:付け合わせ、サラダ、スープと多様に登場
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肉料理:豚肉、牛肉、鶏肉。ソーセージは定番
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乳製品:ヨーグルト、Quark(フレッシュチーズ)、チーズ
脂質の多い料理も多いですが、選び方とタイミングを工夫すればスポーツ向きにアレンジ可能です。
普段の練習後におすすめのドイツ料理
練習後は軽く、消化に優しく、タンパク質を含む食事を意識。
がっつり食べると翌日に疲れが残るので、体を労わりながら必要な栄養を入れるイメージです。
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Spätzle(シュペッツレ)+鶏胸肉ソテー
シュペッツレは炭水化物源、鶏胸肉は高タンパク低脂質で筋肉修復に効果的。軽めの一皿で回復をサポート。 -
Quark+ベリー+ハチミツ
Quarkは消化が早くタンパク質が豊富。ベリーで抗酸化作用、ハチミツで素早い糖質補給が可能。 -
Kartoffelsuppe(ジャガイモスープ)
炭水化物補給と同時に胃にやさしく、特に冬の練習後にぴったり。
運動後30分以内に炭水化物+タンパク質を摂取すると回復が早まります。
試合前日の夕食
試合前日は余計な脂質を避け、炭水化物をしっかり蓄えることが重要。
ジャガイモやパスタ系をうまく活用します。
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Kartoffelauflauf(ジャガイモのグラタン)
炭水化物をたっぷり取れる一品。チーズを控えめにすれば消化も軽い。 -
Rinderbraten(牛肉のロースト)+ジャガイモ
赤身肉でタンパク質を確保しつつ、ジャガイモでエネルギーを蓄える。 -
軽めのパン+スープ
夜遅い時間に食べても消化が軽く、翌朝に疲れを残さない。
試合前日は体重1kgあたり7〜10gの炭水化物が推奨。ジャガイモは効率的です。
試合当日の朝食
試合当日の朝は消化の軽さと糖質補給を最優先にします。
重い料理は避け、すぐエネルギーになるものを中心に。
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Brötchen(白パン)+ジャムやハチミツ
消化が早く、糖質を素早く吸収できる。試合開始までの短時間でエネルギーに変わる。
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ヨーグルト+フルーツ
ヨーグルトはタンパク質+乳酸菌、フルーツはビタミンCで疲労軽減。爽やかで朝食向き。 -
バナナ
カリウムが豊富で筋肉のけいれん予防に効果的。持ち運びやすく試合会場でも便利。
試合開始2〜3時間前に、体重1kgあたり1g前後の炭水化物が理想です。
試合後の食事
試合後は消耗したエネルギーの補給と筋肉の修復がテーマです。
試合直後にはプロテインやバナナ、エネルギージェルなどで軽く栄養を入れ、落ち着いたタイミングで以下のようなドイツ料理を組み合わせます。
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Spätzle+鶏肉/牛肉+サラダ
炭水化物とタンパク質をしっかり補える定番。体を落ち着けてからの食事に最適。
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Eintopf(アイントプフ)
肉、ジャガイモ、野菜を煮込んだ具沢山スープ。1皿でバランスが取れ、寒い日の試合後にもぴったり。 -
Rindersteak+Kartoffeln+サラダ
赤身ステーキでタンパク質を、ジャガイモで炭水化物を補給。疲労が大きい日の“ご褒美リカバリー”にも。
理想は「直後に軽い補給、その後にきちんとした食事」。この2ステップで、無理なくリカバリーを整えることができます。
疲れた日のリカバリー食
体が重い日や胃腸が疲れている日は、消化に優しい食事で体をリセット。
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Gemüsesuppe(野菜スープ)+パン
ビタミン豊富で胃に負担をかけずに栄養補給。
- 白パン+ハチミツ+カモミールティー
胃に軽く、リラックス効果も期待できる。夜の休養に最適。 - Quark+ベリー+ハチミツ
消化が軽く、吸収の良いタンパク源。小腹が空いた時にも取りやすい。
気を付けたいドイツ料理
美味しいけれど試合前後には不向きな料理も多いです。
ご褒美や日常食として楽しみつつ、タイミングを工夫しましょう。
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ソーセージ(Bratwurstなど)
高脂質で消化に時間がかかる。試合前は避けたい。
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Schnitzel(シュニッツェル)
揚げ物は美味しいが、翌日の疲労を残しやすい。
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黒パン(Vollkornbrot)
栄養価は高いが食物繊維が多すぎて試合直前には重い。普段の食事向け。
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Pommes(フライドポテト)
付け合わせで頻繁に登場するが、脂質過多で消化に時間がかかる。試合前後は控えたい。
まとめ
ドイツに移住した当初は「パンと肉ばかりでスポーツに向かないのでは?」と感じていました。
ですが、料理を選び、食べるタイミングを工夫すれば、ドイツの食文化は十分にテニスやスポーツのパフォーマンスを支えてくれます。
「ドイツ料理をどう活かすか」その視点を持つことで、海外生活の食事もまたスポーツライフの一部として楽しめるようになると思います。