ヨーロッパに来て、またテニスを始めたくなる人は多いと思います。
出張の合間にちょっとテニスを楽しみたい方もいれば、駐在や移住で腰を据えてクラブに入りたい方も。
この記事では、日本人在住者が多い ドイツ・イギリス・フランス・オランダ を例にして、
ヨーロッパで「短期ゲストとして公共コートなどで気軽に打つ方法」と「長期的にクラブに入り、試合やリーグにも挑戦する方法」をそれぞれの都市ごとに整理しました。
少しでもヨーロッパでテニス生活を始めやすくなれば幸いです。
目次
まず最初に:よくある疑問と不安
ヨーロッパでテニスを始めるとき、多くの方がこんな疑問を持ちます。
よくある質問と疑問
- 公共コートはある?どうやって予約するの?
- 会員じゃなくてもプレーできるの?
- 試合やリーグに出たいけど、どうやって参加するの?
- だいたいどのくらい費用がかかるの?
結論から言うと、短期で気軽にプレーする道と、長期的にクラブに入り競技まで楽しむ道の両方が整っています。
ただし国ごとにルールや仕組みが違うので、最初は戸惑いやすい部分も多いです。
ヨーロッパのテニス基本情報
参考
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クラブに所属しプレーをするのが一般的
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年会費制(300~500€前後)で春〜秋の屋外は使い放題
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冬は別途インドアを時間貸し料金で使用(10~20€/1h)
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支払いはIBAN(口座引き落とし)が主流。口座があると手続きが楽
ヨーロッパでは「テニス=クラブに入ってやるスポーツ」という感覚が一般的な国が多いです。
クラブに入会すると、春から秋は屋外コートを好きなだけ使えるので、思う存分練習できます。
逆に冬は寒さや雨で屋外が難しく、インドアコートの利用が中心になります。
ここからは都市ごとに、両方のパターンを丁寧に見ていきましょう。
都市・国別テニス事情
ドイツ(ベルリン)・イギリス(ロンドン)・フランス(パリ)・オランダ(アムステルダム)の各国のテニス文化の特徴について説明していきます。
ベルリン(ドイツ)
ドイツの特徴
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会費:年300〜500€が相場
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コート:屋外は赤土クレー中心、屋内はカーペット・ハード
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試合制度:Medenspiel(団体戦)、LKランキング
赤土のクレーコートが中心。
冬はカーペットやハードの屋内が頼りになります。
地域クラブは年€300〜400台、中心部や名門クラブは€500以上といった印象です。
短期ゲストとして
ベルリンはクラブ文化が根強い街ですが、最近はオンライン予約でゲスト利用ができるクラブも増えてきました。
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予約方法:eBuSyやBOOKANDPLAYといった予約システムから、非会員でも利用可能なコートを探せます。
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料金目安:屋内で15〜20ユーロ/1時間ほど。
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注意点:多くのクラブはクレーコートが主流なので、使用後はブラシでの整備が必要です。初めての場合は、周りのプレーヤーを真似すると安心です。
長期駐在/移住として
ドイツではクラブに所属してリーグ戦や大会に出るのが一般的です。
- 近所のクラブに入会(入会金・年会費がかかります)
- チーム練習に参加
- リーグ戦や大会に出場して**LK(Leistungsklasse)**を上げていく
2025年4月からは、大会参加に「DTBライセンス」が必須になりました。クラブ加入と合わせて取得しておくとスムーズです。
詳しい記事はこちらから
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ロンドン(イギリス)
イギリスの特徴
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会費:£200〜400、中堅クラブは£400超も
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コート:ポーラスアスファルトが主流。公共施設では人工芝(AstroTurf)が多い。芝は一部クラブのみ。
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特徴:公共コートが整備されていて始めやすい
「芝の国」というイメージですが、実際に多いのはポーラスアスファルトや人工芝。
公共のテニスコートも多く、時間貸しで気軽に使えるのが特徴です。
短期ゲストとして
ロンドンは「公園テニス」がとても発達しています。観光や出張中でも、手軽に打てるのが魅力です。
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予約方法:LTA公式サイトやClubSpark、Park Sportsのページからオンライン予約できます。
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料金目安:公園コートで5〜12ポンド/1時間ほど。予約後にメールで届くPINコードでゲートを開ける方式が多いです。
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補足:人気のエリアでは毎朝7時に新しい予約枠が開放されるので、早起きしてチェックすると良い枠が取れます。
長期駐在/移住として
長く滞在されるなら、LTAに登録してクラブ会員になると活動範囲が広がります。
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WTN(World Tennis Number)という指標があり、初級者から上級者まで自分の実力を把握できます。
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リーグ戦:LTA登録会場に所属すれば「National League」に参加可能。もっと気軽に試合をしたい方には「Local Tennis Leagues」もおすすめです。
クラブに入る前に「ソーシャルテニス」という交流会に参加すると、雰囲気が分かってから加入できるので失敗が少ないです。
詳しい記事はこちらから
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パリ(フランス)
フランスの特徴
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会費:€150〜400+FFTライセンス料
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コート:公共はPorous Concreteや合成系、クラブはクレーも多い
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特徴:FFTライセンスが必須。ジュニア育成が盛ん
フランスではライセンス制度が徹底されていて、クラブ入会や大会参加にはFFT登録が必須。
公共コートも整っているので、気軽に打てる環境はありますが、本格的に活動するならライセンスは避けられません。
短期ゲストとして
パリは市営テニスコートがとても整備されています。旅行や出張でも気軽に使えます。
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予約方法:市の「Paris Tennis」サイトからアカウントを作成し、日時と場所を選んで予約。
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料金目安:屋外12ユーロ/1時間、屋内20ユーロ/1時間。
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豆知識:市内には屋上や中庭など個性的なコートもあり、テニスをしながら観光気分も味わえます。
長期駐在/移住として
フランスではFFTライセンスが活動の鍵です。
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取得方法:クラブに入会し、ライセンスを申請(大人33ユーロ/年など)。
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メリット:ライセンスがあれば、クラブ対抗戦や公式大会に参加可能。
パリの市営コートは人気が高く、朝の予約解放時間にアクセスしないと埋まりやすいです。
アムステルダム(オランダ)
オランダの特徴
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会費:€100〜300(中心部は高め)
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コート:クレーと人工芝が主流。雨に強い全天候型も多い
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特徴:KNLTBライセンスがあれば大会参加可能
オランダはクレーと雨天に強い人工芝の比率が高い国。
アムステルダムのクラブでは「クレー+人工芝」の組み合わせが多く見られます。
短期ゲストとして
オランダも非会員で利用できる仕組みが整っています。
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予約方法:KNLTB Meet & Play(アプリあり)で近所のコートを検索→そのまま予約。
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代表的施設:AmstelparkやFrans Otten Stadionは単発利用が可能。
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料金目安:20〜25ユーロ/1時間ほど。
長期駐在/移住として
オランダのクラブは「四季リーグ」がとても盛んです。
- クラブ入会 → KNLTB会員番号(Bondsnummer)発行
- 春(Voorjaars)、秋(Najaars)、冬(Winter)の各リーグに参加
- 戦績を積み重ねてレーティング(speelsterkte)が上がっていく
大会だけ参加するための「Toernooipas」という制度もあります。出張ベースで滞在する方にはちょうど良い仕組みです。
都市別費用比較表
国 | 年会費目安 | インドア1時間 | 主なサーフェス |
---|---|---|---|
ドイツ | €300〜500 | €20〜30 | クレー(屋外)、カーペット/ハード(屋内) |
イギリス | £200〜400 | £15〜25 | ポーラスアスファルト、人工芝、芝 |
フランス | €150〜400+ライセンス | €15〜25 | クレー、Porous Concrete、合成系 |
オランダ | €100〜300 | €15〜25 | クレー、人工芝 |
FAQ(よくある質問)
Q. 冬はどの都市でも屋外でプレーできませんか?
A. 気候的に困難です。全天候型人工芝や覆い付き施設があれば可能ですが、基本は屋内利用となります。
Q. クラブに入らずにテニスはできますか?
A. ロンドン・パリでは公共コートがありますが、数に限りがあります。ベルリン・アムステルダムではクラブ入会が現実的です。
Q. 短期滞在でも大会に出られますか?
A. 協会ライセンスが必要な国(フランス・オランダ・イギリス)では、短期滞在者でも登録可能です。ただし住所や銀行口座が必要な場合があります。
Q. 年会費にインドア利用料は含まれますか?
A. 多くのクラブでは別料金です。屋外は年会費込み、インドアは時間貸しで課金されます。
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- お問い合わせ:メールフォーム(ブログのフッターに専用フォームがございます)
最後に
ヨーロッパのテニス環境は、日本の「時間制レンタル」とは大きく仕組みが違います。
ただ、慣れてしまえば「気軽に打つ」テニスも「競技で戦う」テニスも、両方の楽しみ方が広がります。
この記事が皆さんの滞在スタイルに合った形で、ヨーロッパのテニスを楽しめるきっかけになると嬉しいです。